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連載 『香りはロイヤルミルクティー』 8 影の委員長       [香りはロイヤルミルクティー]

 4月.偉大なる先輩は卒業し、僕らは2年生になり、新1年生が入ってきた.
アナウンサーは女5人、技術は男2人に女1人.技術男の1人、石川は中学の放送部
の後輩で気心が知れていたし、メカにも明るい.まぁこれだけ人数がいればなんとか
なるだろう.

 そしてすぐにまた学園祭の準備が始まった.この年の3年生は3人しかいないため、
2年生の僕らにも仕事はどっちゃりあった.
もっともこの頃になると僕は視聴覚委員会にのめり込みつつあったので、自分で
どんどん仕事を見つけてしまい、さらには人に頼まず自分でやらねば気が済まない
性分だったので、視聴覚のために学校へ行ってるような気がしていた.

 6月.学園祭3日間、ほとんど休む間もなかった.屋体と校庭と放送室とTom&Jerry
の教室を代わりばんこに駆けずり回っていた.6月の陽射しはすでに夏と同じ.屋体も
教室も、むわ~~と暑さがこもっていた.
屋体では演劇部・音楽部・軽音楽部・ブラバン等各部の発表、仮装大会・M高ソング・
美人コンテスト(別名おカマコンテスト)等のクラス発表などの音響を担当.
この年新たにミキサーをもう1台購入したので、マイクが10本まで使えるようになった
り、YAMAHAのPAスピーカーや、TRIOのパワーアンプなどの導入で音のクオリティは
格段に向上したが、それだけシステムが複雑化してしまい、僕かヨシユキかヒデミツ
先輩の誰かがいないと行事進行できないという状況になってしまった.

卓とステージ.jpg
あくまでもイメージです

 屋体の電源が弱いのには悩まされた.軽音のバンドが目いっぱいカッコよく、
「ワン、ツー、スリー、フォー! ジャ・・・」と音が出た途端ブレーカーが落ちてシ―ン.
完全に場内はしらけ切って、今思い出しても全身に冷や汗が出る.
こればっかりは視聴覚の責任ではないのに、非難の目が集中するのは視聴覚.
結局1番近くの化学教室からリールで電源引っぱってきたりして.

 最終日、ファイアーストームの時に引き継ぎ式というのが行われる.
3年生の生徒会及び委員会はこの日を境に全権を2年生に引き渡し、引退して勉強に
専念するという、進学校らしいあり方だ.
引き継ぎ式なんていうと堅苦しいけど、そんなことはなくて、台上に上がって
『みんなーっ、ありがとーっ!』とか言って、お決まりの胴上げがあって、ちょっと涙と
感動モノだったりして.
視聴覚委員会も毎年、全ての行事が終わって後片付けの時にする事になっている.
この年は3年生が3人だけだったのでちょっと寂しかったけど.でも夕暮れというのは
それだけでしんみりするものです.
『あと1年かぁ』
涙で握手を求めてくるヒデミツ先輩の姿に、僕はそんなことを考えていた.

 そんなわけで僕らは2年生だが事実上リーダーとなった.
僕と違って顔が広く、あちこちにコネを持つカツヤが委員長になり、僕は実質的に
仕事のあれやこれやを取り仕切る影の委員長に君臨した.

 8月.YBSのコンテストがやってきた.この時はあまり苦労せずに済んだ.
『講座ってなんだい』というタイトルのもと、夏休みに2週間も強制的に半日学校へ
来て勉強しなければならない『講座』について、生徒と先生のインタビュー構成で
制作された.もちろん全員で取り組んだわけだが、当時のデータを見ると主構成・主
技術ともにヨシユキとなっている.もしかしたら僕は暑さでメゲていたのかも知れない.
ナレーターはチエちゃん、ちょっと大袈裟なBGMはまたもやPink Floyd.
そしてそして、なんとこれが1位になってしまった! アナウンサーもちーちゃんが3位.
これでYBSは制覇.残るは来年のNHKだ.
                                              つづく
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